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狂犬病予防注射の重要性

分類

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掲載媒体

朝日新聞

掲載日

平成21年3月15日

 発病すると100%死亡する、人類史上遭遇した最強にして最悪の感染症、それが狂犬病です。世界保健機構(WHO)の統計によれば、全世界で毎年5万人以上の犠牲者が報告されています。犠牲者のほとんどが狂犬病に感染している犬に咬まれたことが原因となっています。

 狂犬病は、犬や家畜だけでなく、 全てのほ乳動物に病原性を示す人と動物の共通感染症であり全世界的に報告されています。狂犬病の発生がない国・地域は日本、英国、オーストラリアなどわずか10余りに過ぎません。しかし、その日本においてさえも全く無関係の感染症とは言えず、輸入感染症として平成18年にフィリピンで犬に咬まれて帰国後発症し、死亡した2事例が京都市と横浜市で報告され、耳目を集めました。昨今の国境を越えた人と物の交流の激増が、このような感染事例を招いたであろうことに、改めて危機感が高まります。

 また、港湾施設を持つ自治体においては、狂犬病常在国から寄港する船の乗組員が不法に上陸させる犬のほか、貨物コンテナに紛れて上陸する猫やその他の動物が狂犬病を日本国内に持ち込むことも懸念されます。

 国民の安全・安心の保障を継続するためには、飼い犬の狂犬病予防注射接種率を流行防止に必要とされる80%以上に保つことが重要と云われています。

 今後とも、我が国に狂犬病清浄国であり続け、愛犬を狂犬病から守るためにも、狂犬病予防法に基づく飼主の認識と責任感が不可欠であると我々獣医師は考えます。

社団法人横浜市獣医師会
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(神奈川県畜産センター内)
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会長 中川秀樹