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野生動物をペットとして飼うことに反対する
分類
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朝日新聞 掲載日
平成22年3月14日 動物にはペットに適しているものと、そうでないものがあります。我々の先人たちは、古来より人間と共棲できる動物を正しく見極め、選んでペット(あるいは家畜)としてきました。これらに適さない動物に対しては遠くから眺め、一線をおいて共棲してきたのです。現在の犬や猫、家畜などは長い歴史の中で人と共に暮らせるよう選択交配されてきたものです。従って人と共生しなければ生きてゆけなくなってしまった動物ともいえます。
ところが、最近ではペットに適さない様々な外来生物が輸入され、店頭で気軽に購入できます。珍しいほ乳類や爬虫類だけでなく、カブトムシやクワガタなどの昆虫類や熱帯魚などの魚類も例外ではありません。これらは、先人たちの深慮を無視した、人間本意の欲望で飼う風潮とも言えます。
このような動物たちの行動や生理、そして疾病(特に人獣共通感染症)については、まだ十分に研究されていません。いつ何時、新型インフルエンザのような、動物由来の新たな致死率の高い疾病が発生するとも限りません。
単に珍しいから、面白いから、可愛いからといった自己満足から、こうした動物を飼うことは、動物虐待に通ずると同時に自然の摂理を無視し、多くの人たちに迷惑を及ぼす行為に他なりません。
我々獣医師は、こうした飼主に対し憤りを感じると同時に、これ以上不幸な動物を増やさないためにも、これらの行為に強く反対します。社団法人横浜市獣医師会
横浜市磯子区西町14-3
(神奈川県畜産センター内)
TEL:045-751-5032
会長 越久田 健