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狂犬病予防への警鐘
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朝日新聞 掲載日
平成24年3月11日 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、「想定外」の地震に津波そして「安全・安心」と言われていた原子力発電所の事故により、瞬時に日本中が恐怖のどん底に落とし込まれ、今でも不安は払拭されません。 (社)横浜市獣医師会は、市民の安全・安心の確保に貢献し公衆衛生の向上と福祉の増進に寄与することを目的に、発症するとほぼ100%死亡する人類史上最強にして最悪な感染症である狂犬病の予防活動を行っています。 世界保健機構(WHO)の統計によれば狂犬病の発生のない国・地域は少なく日本、英国、オーストラリア、スウェーデンなどわずか10余りに過ぎません。そして毎年世界で約55,000人が発症し死亡しています。 日本は、狂犬病予防法が制定される1950年以前には、多くの犬や人も狂犬病に感染して死亡していました。このような状況のなか狂犬病予防法が制定され、犬の登録、予防注射、野良犬の抑留が徹底されるようになり狂犬病を撲滅することができました。この事例を見ても犬の登録や予防注射が狂犬病予防にいかに重要な役割を果たすかが理解できます。 国内に狂犬病が侵入し蔓延したことを考えてみてください。あなたや大事な家族がその素性の知れない身近にいるほ乳動物に噛まれた場合、恐怖にさいなまされることになるでしょう。そして、その動物が狂犬病であると診断されたときにはその苦悩は想像を絶します。 狂犬病は、1957年から犬での発生がないので国民は安全だと安心しています。しかし近年、狂犬病予防摂取率は年々低下をしているため、狂犬病に対する集団免疫効果が失われ大変に危険な状態です。飼い犬の登録と狂犬病予防注射は、飼い主の責務であり、すべての飼い主が遵守すべきことなのです。 また今回のような大きな災害の後には、飼育動物の管理不足による狂犬病以外の人獣共通感染症等の流行も危惧されます。日頃から知識を深め適正な飼育管理が必要と考えます。
社団法人横浜市獣医師会
横浜市磯子区西町14-3
(神奈川県畜産センター内)
TEL:045-751-5032
会長 越久田 健