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わたしたちの「すみか」を守りましょう
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神奈川新聞 掲載日
令和5年3月11日 異常気象により、日本では昨年も大規模な水害などの災害がありました。海外でも突風被害、水害の他に、異常に高い気温で干ばつや大規模な山火事も発生しています。今日3月11日は東日本大震災があった日ですが、地震とは違って気候変動は、人の活動により排出される温室効果ガスがもたらす地球温暖化が関係していると考えられています。
新型コロナウイルス感染症などの新興感染症の発生には、新たな土地の開拓によりそれまで人とほとんど接触することがなかった生きものと人との接触の機会が増えたことが大きな要因とみられています。高病原性鳥インフルエンザや豚熱の感染拡大も、人の活動が多様になり野生動物と家畜との間での病原体の移動の可能性が高くなったことが原因の一つとして考えられています。
それぞれの災害では人やさまざまな動物が直接の被害にあったり、避難生活や感染拡大防止の処置など二次的な被害にあったりしています。
苦しみや悲しみを感じる中で、これらの災害の発端が人間の行為であるかもしれないということについて、私たちはよく考える必要があります。
私たち、あらゆる生きものの『すみか』は、今のところこの地球だけです。私たちは、末永く住み続けられるように地球上の環境を維持できないと『すみか』を失ってしまいます。環境を破壊する無計画な開発や戦争、エネルギーの浪費や再生可能エネルギー利用への転換の遅れなどは負の遺産をつくります。対して、人や動物の健康を守るための予防医学の推進、生物学的多様性を乱さないための管理や保全は新たな可能性を導きます。このように人の活動とすべての生命の営みが地球
上で良くも悪くも関与しあっています。
人と動物の健康と地球環境の健全性を守る「One Health(ワンヘルス)」の理念、人類がこの地球で暮らし続けていくために達成すべき当面の目標である「SDGs」など、地球に住み続けるための考え方や行動を、社会のみなさまと共に実践していきたいと思います。公益社団法人 横浜市獣医師会
会長 溝呂木 啓之
横浜市磯子区西町14-3
TEL 045(751)5032